車輪詳細(形状、寸法表)
車輪の製造方法
工程 |
製造基準 |
材料 |
精製された原料より溶製されたキルド鋼塊より、鍛造又は圧延された材料を使用する。
製鋼方法は転炉又は電気炉材とし、化学成分は下表により、JIS E 5402(鉄道車両-一体車輪)材料記号SSWとする。
C |
Si |
Mn |
P |
S |
0.60~0.75 |
0.15~0.35 |
0.50~0.90 |
0.045以下 |
0.050以下 |
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鍛造 |
鍛造用加熱炉で均熱の上、プレスなどによって鍛造成形を行い、最終鍛錬成形比3S相当以上とする。
また、鍛造後は徐冷とする。
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機械加工(L1) |
所要の寸法まで粗削加工を行う。
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踏面焼入焼戻 |
所定の温度に加熱して焼入れ・焼戻しを施し、硬度測定を行う。
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機械加工(L2) |
図面に基づいて加工を行う。
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車輪の検査方法
試験方法 |
検査方法 |
試験片製作 |
同一溶解ごとに、一辺の長さが約70mmの正方形断面で、長さ150mm以上の試験片を引当素材より切り出して、径が30mmになるまで鍛造したものからJIS Z 2241(金属材料引張試験方法)に基づいて4号試験片1本を採取する。
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機械試験 |
試験検査 |
検査基準 |
JIS Z 2241 (金属材料引張試験方法) |
引張強さ:770N/mm2(78.5kgf/mm2) 伸び:8%≦ |
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寸法検査 |
全数検査として、寸法許容差内であること。
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外観検査 |
全数検査として、目視にて有害な割れ、打ち傷などの欠陥が無いこと。
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硬さ検査 |
全数検査として、JIS Z 2246(ショア硬さ試験-試験方法)に基づいて測定し、測定箇所は踏面円周上1箇所以上とする。
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クレーン用鍛鋼製一体型車輪寸法表
品名記号の説明
R |
30kg、37kg、及び50kg普通レール用車輪 |
C |
73kgレール用車輪 |
H |
100kgレール用車輪 |
W |
ボス高さが高い車輪 |
N |
ボス高さが低い車輪 |
G |
歯車付き車輪 |
【付表1】30kg、37㎏及び50kg レール用車輪寸法表 (RW型、RN型及びR型)
【付表2】73kg レール用車輪寸法表 (CW型、CN型及びC型)
【付表3】100kg レール用車輪寸法表 (H型及びHN型)
【付表4】30kg、37㎏及び50kg レール用車輪寸法表 (RG型)
【付表5】73kg レール用車輪寸法表 (CG型)
【付表6】鍛鋼製車輪の寸法許容差
名称 |
記号 |
区分 |
許容差(単位:mm) |
踏面の径(※1) |
D |
315㎜未満 |
±0.13 |
315㎜を超え 500㎜以下 |
±0.16 |
500㎜を超え 1120㎜以下 |
±0.20 |
1120㎜を超えるもの |
±0.25 |
リムの内径 |
D1 |
全ての寸法に対し |
0 -25 |
リムの幅 |
B |
全ての寸法に対し |
+5 -1 |
板厚 |
t |
全ての寸法に対し (目標許容差) |
+10 0 |
ボスの外径 |
D2 |
全ての寸法に対し |
+25 0 |
軸穴の径 |
d |
全ての寸法に対し 直径で3㎜の取り代につき |
0 -1 |
リム及びボスの偏肉 |
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全ての寸法に対し |
最大12 |
※1:踏面の径(D)の寸法許容差はJIS B 8806(クレーン用鋳鋼製車輪及び鍛鋼製車輪)による。
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備考:許容差規定がない部分の加工はJIS B 0405(普通公差-第一部)の公差等級cとする。
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【付表7】鍛鋼製車輪の仕上程度
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粗さの 区分値 |
中心線平均粗さ(Ra) |
- |
12.5 |
6.3 |
1.6 |
最大高さ(Rmax) |
- |
50S |
25S |
6.3S |
表面粗さ記号 |
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|
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波形記号および三角記号 |
~ |
▽ |
▽▽ |
▽▽▽ |
備 考 |
1. |
フランジの表面の表面仕上図示方法は、JIS B 0031(製品の幾何特性使用(GPS)-表面性状の図示方法)による。
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2. |
表面粗さの図示方法は、中心線平均粗さ(Ra)で示す。
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3. |
表面仕上程度()は、鍛鋼品の黒皮状態(表面をスケール除去した状態)を示す。但し必要に応じてRa12.5(50S)に加工する。
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当社の車輪について
1)車輪は
JIS E 5402 (鉄道車両-一体車輪)に基づいて製造しています。
2)踏面の硬度
材料記号 |
熱処理方法 |
踏面の硬度 |
SSW-Q |
踏面焼入れ・焼戻し |
Hs40~50
(お客様のご希望により最高硬さHs55まで可能)
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SSW-R1 |
鍛造後徐冷 |
Hs30~40
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3)製造範囲
付表1~5に示した寸法車輪以外の寸法、形状でも鍛鋼製で製造いたします。また、従来よりご使用中のクレーンで、車輪が鋳鋼製のものでも鍛鋼製で製造いたしますので、主要寸法をご提示のうえご相談ください。
4)組立車輪の製作
歯車付、シャフト焼嵌めなどの組立完成車輪についても製作いたします。なお、歯車の車輪への取付方法は、焼嵌め、又はボルト締めのいずれかでも可能です。
5)SSWは炭素鋼です
炭素当量(Cequ=0.69~0.92)が高いので、車輪への溶接や肉盛及び部分的な急熱、急冷は行わないように十分ご注意ください。