鉄スクラップの発生
|
||
北海道では年間約100万トンのスクラップが発生します。 スクラップは主に建築・土木構築物の解体や、廃自動車、加工屑などがあります。 発生したスクラップには、非鉄金属である銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、 クロム(Cr)などやゴム類、樹脂類、プラスチック類などのゴミも含まれており分別が必要となります。 |
鉄スクラップの分別・切断
|
||
これらのスクラップは各地のスクラップディーラーによって鉄、非鉄を分別し、 様々なグレードに分類され電気炉に投入可能なサイズに切断もしくは破砕加工された後、 当社に持ち込まれ、鉄のリサイクルに貢献しています。 |
鉄スクラップの検収・配合
|
||
スクラップには標準的なグレードであるH2、グレードの高いH1やシュレッダー、自動車などの加工屑である新断、旋盤加工などの際に 発生する鋼ダライ、廃自動車をプレスして固めたカープレスなど様々なグレードや品種があります。 鋼の5元素と呼ばれるカーボン(C)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、硫黄(S)、トランプエレメントと 呼ばれる非鉄金属類(Cu、Ni、Sn、Cr等)を目的の成分にする為に様々グレード・品種のスクラップを配合をします。 | ||
またスクラップの配合は次工程である溶解の各諸元に影響を及ぼす為、大変重要な作業です。 配合写真はスクラップヤードからマグネット付きクレーンでスクラップを配合している写真です。 スクラップを投入している穴の下にはバケット呼ばれる入れ物があり、サンドイッチのようにスクラップを詰めていきます。 |
電気炉による溶解・精錬
|
||
公称50t直流電気炉です。電気炉は原料であるスクラップを電気の力によって溶解します。 当社の電気炉は直流炉であり、交流炉に比べ、周辺地域へのフリッカー障害が少なく、 ランニングコストが安い等のメリットがあります。また、ランスパイプで酸素を投入することにより、酸化熱を得て、 昇温促します。酸素は酸化、脱炭、脱燐に重要な役目を果たします。 鍋に具だけ入れても美味しくないように、お客様のご要望の成分にする為、スクラップのほかに 合金鉄(Fe-Si、Si-Mn)や造滓材(生石灰)を投入し味付けをします。 尚、溶鋼上に形成される鋼滓は精錬上、重要な役割を担っています。 |
出鋼
|
||
主原料、副原料を溶解し約1600℃まで昇熱させた後、急須から湯飲みにお茶を注ぐように、 電気炉を傾動させ、取鍋(巨大な湯飲みと思ってください)に鋼滓と共に溶鋼を出鋼します。 電気炉・取鍋とも内側は耐火煉瓦で覆われており1600℃の高温にも耐えます。 スクラップを装入、溶解、出鋼をする迄は約50分です。 |
溶鋼のサンプリング・分析と測温
|
||
サンプリングは柄杓で溶鋼をすくい、型に入れて固め、発光分析器で分析します。
また柄杓ですくった溶鋼の火花を見ることで溶鋼中のC(カーボン)値を見極めます。
火花の先が幾つにも分かれ、枝毛のようになっているほどC値が高くなります。
未だに人間の目が最も正確な状況を把握できることも確かです。
溶鋼温度の測定は熱電対を溶鋼に突っ込むことで測定します。 これは異なる金属が接合部に発生する電位差の温度により変化することを利用しています。 |
連続鋳造(CCM)
|
|
電気炉から取鍋に出鋼された溶鋼はクレーンで連続鋳造設備:CCM(Continuous Casting Machine)に移動します。
CCMでは溶鋼を一旦タンディッシュ(漏斗)に流し込み3箇所ある鋳型(モールド)に鋳込みます。
鋳型に鋳込まれた溶鋼は下方にあるピンチロールで引っ張られながら冷却され、シャー(切断機)で切断され鋼塊(ビレット)となります。
CCMは電気炉と圧延をつなぐ重要な工程であり、品質・温度・時間の管理をおこない全工程が円滑に流れていくよう気を配っています。 またここで取鍋内の溶鋼が鋳込終わり取鍋に残った鋼滓は製鋼スラグ路盤材に成形します。スラグ路盤材へ |
連鋳ビレット(圧延用、輸出用(半製品))
|
|
当社では長さ3500~6500mm、120mm角および130mm角のビレットの製造が可能です。
またシャーは最新のアップカットシャーで菱形変形のない良好な切断面が得られます。
ビレットは次工程である圧延の材料となり、その成分もさることながら、形状や長さ、重量精度も重要になります。
当社は海外へビレットの輸出をしており、海外からもご好評を得ています。
圧延工程へ |